あなたのために、わたしのために
「あなたのことを思って」
言いがちなセリフ。
実際に私も何度か言った記憶がある。
このままではないけどニュアンスはこのまま。
口にする方は、きっと本当に相手の事を思っているつもりなのだ。
そう、つもり。
自分の世界の中でのルールに則った上での正解。解決策。
だってあなたに幸せになってほしいから。
あなたのことが好きだから。
大切だから。
傷ついてほしくないの。
だからこそ。
とても優しい気持ちから発するそれは
まるで何かから守ってあげているような気分ですらあった。
そんな自分は優しいとすら思っていた。
でもね、そうやって発した言葉が思いもかけず誰かを傷つけてしまうことだってあるのだと、私は大人になって知った。
たくさん傷を負って初めて知った。
もうすでに傷ついているその人に、これ以上正論という名の傷をつけて何になるんだろう。
傷ついて痛がっているその人に、敢えて傷口を見なさいって伝えることがもしかしたら早く傷を治す手段なのかもしれないけれど。
でも、まずは
痛かったね。
そうだよね。
あなたの傷が癒えて、また笑えるようになるために私ができる事があれば教えてね。
だって私はあなたが好きだから。
あなたの笑顔がまた見たいから。
だからこれはあなたの為じゃないの。
自分の為なの。
今回傷ついた私に友人がかけてくれた言葉たちからはこんな気持ちがたくさん伝わってきた。
私が笑顔になれるなら、どんな選択をしてもいいよ。
そう言われた事で本当に救われた。
ありがとう。
私もこんな風に寄り添える人になりたいって思った。
あなたのためじゃなく、わたしのために。