遺伝
自慢じゃないけど私はしつこい性格で。
心の中に【許すまじフォルダ】というものが存在している。
たまーに、そのフォルダを開いてはくそー!ムカつく!!許すまじー!!って思い出しムカつきをしたり拗ねてみたり。
ええ、非常にめんどくさいやつです。
ここ数年、心理学に触れて自分と向き合ったりして、パツパツだったフォルダの中身も少しずつ減っているようには思う。
でもふとしたときに、お、まだこれあったわ!っていうものや、やっぱりこれはゴミ箱にポイできないぜ、むしろポイしてたまるか!みたいなものも出てくる出てくる。
そしてフォルダの中身をゴミ箱に移し替える作業中は痛みを伴うことも多い。
そんな私の許すまじフォルダの中の1つが
『父に合格発表の結果を自分より先に知られたこと』
高校の合格発表を友達と見に行ったとき、番号の並んだ板?にドキドキしながら歩き出そうとしたその瞬間に。
おー!よかったなぁ!!受かってたで!!
そういいながら笑顔で駆け寄ってきた父がムカついたこと。何がそんなにムカついたのか自分でもわからないけど、とりあえずすっごいムカついた。
「お父さんのせいで喜び半減した。」
ことあるごとに、うん10年前の話を未だにネチネチと父に言う私。
父は、毎回「ほんとしつこいなぁ」と笑い、それに対してまたムカつくということを懲りもせず続けている。
謝って欲しいわけじゃない。
あの時の私の気持ちを返して欲しい。
そんなどうしようもないことを誰にとも無く求めている。
あぁ書いてて恥ずかしいくらいなのだけど。
そしてそんな自分に対して、いつまでも子供みたいな事をって責めてる自分もいて。
で、結局【許すまじフォルダ】にまたしまうって作業を幾度となく繰り返してきた。
ところが先日。
母と電話している際に、なぜか話の流れで昔父の船舶免許の合否ハガキを父より先に私が見て
「お父さん、不合格やったで!」
と伝えていた事を告げられた。
え、全然覚えてない。
ほんまに言った?
そんなことするわけ無いわぁ。
私じゃなくて姉じゃない?(人のせいにする)
動揺して母に尋ねると、そんなことするのあんたくらいしかおらんって笑われた。
ガーン。最悪(自分が)
しかもよりによって不合格のお知らせ。
よっぽど私のほうが酷いことしてる。
その当時父は少なからずショックを受けていたらしい。
そりゃそうやろな。
不合格やしな。
ただでさえショックやったやろうに。
でも私が覚えてないって事は、父はたぶん私を責めなかったのだろう。
いや、責められていたことすら忘れていたのかもしれないけど。たぶん父の性格上責めない。
そしてもし責められていたら、私の性格上覚えている(なんせしつこいから)
私はそんな自分にショックを受けて
「お父さん、覚えてるかなぁ。」
そう母に聞くと、
「おー、覚えてるでー」
そう電話の向こうで父の笑い声が聞こえた。
その瞬間、私の【許すまじフォルダ】の中身が1つ消えた。
なんやろう、自分が同じことやってたから責められないっていう理由ではなくて。
なんかあの時の私が
しょうがないなぁ
って笑っているような気分になった。
そうや、思い出した。
そういえば父親が昔趣味で書き始めた時代小説を発見して父親の前で音読しだしたこともあった。(ほんま最低やな、私。笑)
父はたぶんその時も笑ってた。
私はいつもそうやって笑って許されてきたことを思い出した。
私もいつか、父のように色んな事を笑って許せるようになるだろうか。
痛みを伴わない許しもあるのだなぁって今回知ったから。
まぁ、いかに私がしつこくて子供でなかなかの自分中心かってことが今回の発見だった。
ははは。
とりあえず次の帰省では父に笑いながらごめんって言おうかな。
あ、船舶免許は2度目で合格したらしい(要らん情報)