夏の思い出
毎年恒例の花火大会。
シートを引いていつも同じ場所で見る。
来年こそは有料席で見たいねっていいながら。
周りには沢山の浴衣を着た女の子たちがいる。
浴衣、最後に着たのは何年前だっただろう。
私たちの横に座ったカップルはシートを持ってきてなくて。
彼の方が一生懸命に砂利を退かせて、そこにコンビニの袋を敷いて彼女を座らせてあげていた。そして自分は砂利の上。
男の人って優しいなぁ。こうやって客観的に見ると余計に優しさがわかる。
昔昔、付き合う前のデートで当時の彼と花火大会に行ったとき。
1人で浴衣を着るのも一苦労で、でもどうしても浴衣を着て行きたくて。
そっちにいっぱいいっぱいでもちろんシートなんて持っていかずにしょうがないから土手の芝生のとこに座って。
花火が終わって駅に向かうのも人がぎゅうぎゅうで。
本当は手を繋ぎたかったけど恥ずかしくて繋げなくて。ちょっと落ち込んで家に帰ったら彼から浴衣姿を褒めるメールが来ていて。
たとえ汚れても、暑くて身体中がベトベトしても。着ていって良かったなぁって嬉しかった事を思い出した。
我ながらあの頃はなんて初々しかったんだろう。笑
だから私は今も浴衣姿の女の子を見るとなんかこそばゆくてでも同時になんか微笑ましい。
やっぱり夏はいいですな。