デビュー
ちょうど1年ほど前の出来事。
私トイレで違和感を覚えまして。
こ、これはもしや!?と。
そんなはずない気のせいだと思うことも出来たのだけど、怖さの方が勝ったのですぐにグーグル先生にお伺いをたてた。
我ながらこういう時の行動は早い。
ちなみに私は昔からの友人に福○工務店という渾名をもらったことがある。
はたして褒め言葉なのかは微妙だ。
話を戻して翌日、仕事帰りに前日グーグル先生のお答えのトップにでた所に駆け込んだ。
そう、そこは「ザ★肛門科」
まぁ簡単に言ってしまえばこれはボラギノール案件では?と思った訳ですよ。
もちろん私も一応人並みに恥じらい的なものは持ち合わせているので、行くのに若干の勇気は必要だった。でも後から後悔する方が嫌なので飛び込んだ。
足を踏み入れた待合室は平日17時過ぎなのに椅子に座れない人が何人もいるほどの激混み具合だった。
おぉこんなにも仲間がいるなんて...!!!
しかも老若男女問わず!!!心強い!!!
1時間以上待ち、ようやく私の番がきて診察が始まった。
お医者さんからはまずお褒めの言葉を頂いた。
よく来た!と。
自分で異変を感じてすぐ病院にきた、そのことは素晴らしい!と。
そして、何も恥ずかしく思うことはない。
なぜなら日本人の4人に1人はかかっているメジャーな疾患だからだ。
ちなみに自分もそこにいる看護師さんもそうだ。
だから何も恥ずかしくなんてないんですよ!!と。
う、うん。そこまで押されると余計に恥ずかしさも感じるけど。。
まぁ先生の熱意は伝わった。
ちなみに私はごく軽症だったらしく拍子抜けするほどの短時間で診察も終わり、薬をもらって帰ってきた。
肛門科デビューを果たした私は、そのことを今年のビッグニュースとして友人たちとの飲みの席のネタとして披露した。
友人知人たちは私のデビュー話を大いに喜び笑ってくれた。
そこからしばらくして、仲良い友人のお父さんが亡くなった。
病状が思わしくないことはずっと聞いていたけれど、訃報を知り彼女になんて声をかけていいかわからずただただ彼女の話を聞いていた。
すると彼女が思わぬことを言った。
『ずっと危ない状況が続いていたから、親族が毎日病院に交代で寝泊まりをしていて、自分も病室でつい泣いてしまったりしていた。
そんなときにひょんなことからあんた(私)のデビューの話になり親戚と久しぶりに笑った。それですごく救われた、ありがとう。』
いや、ありがとうなんて。
私のしょうもない話で彼女がほんの少しでも笑えたなら本望だ、と思った。
自分の中で恥ずかしかったり、みじめだったり、黒歴史に思ったりすることだって、もしかしたら誰かにとっての光になることがあるのかもしれない。
どんな出来事にも意外な意味はあるのかもしれない。
たとえ今はそうは思えなくても。
後日談として、何故か私のもとに「じつは自分もそうじゃないかと思っていて、、、」と連絡が複数きた。
いや、私専門家じゃないから!!!
私が言えることはただ1つ。
すぐさまデビューしろ。以上。