私と色気⑤

最近セクシャリティ、性、に関する話題ばかりが目に入る。

仕事でも今その分野に関連があるからだろうか。

ここ1週間ほどものすごく、自分のセクシャリティに関わる記憶が押し寄せてきた。

 

あんまり思い出すのは愉快な出来事ではないけれど、自分自身を整理するためにも言葉にしておこうかなと思った。

 

私は自分が女性であることを嫌いだしたのは、たぶん小さい頃からだけど自覚し始めたのは大人になってからだった。

だからといって男性が嫌いなわけでもなかったし、人並みに恋愛に対しても興味があったし彼氏もいた。

 

でも、どこかで自分が「女」であり、男性から性の対象としてみられるということがとても嫌だった。

 

昔々、気になる男性がいた。

彼には彼女がいたし、私の気持ちを言ってはいけないと思っていた。だからあくまで友人として彼に接した。

彼はよくドライブしながら彼女の愚痴を私に話した。そう言いながらも、彼女の事が大好きなのはすごく伝わってきた。

だから私はいつも彼を励ましていた。

 

私にもスキはあった。

もしかしたら下心もあったと思う。

でも私は彼との友人関係を壊したくなかった。

 

ある日、彼が運転中トイレに行きたいと行った。

もう私の家は目前だった。

彼を部屋に上げたことはないし、あげるつもりもなかった。

 

だから、近くにコンビニがあるよ、と言った。

でも、どうしても我慢出来ないというので、私は彼を自分の部屋に上げた。

 

そしてトイレからでてきた彼は私を押し倒した。

最初からそれが目的だったのかもしれない。

私も自分が部屋に上げたのがいけないのだとどこかで思った。

でも一つだけわかるのは、彼は私の事が好きなわけではない、って事だった。

 

もちろん、好意はあるだろう。

ずっと友達だったから。

もしかしたら、私の気持ちに気付いていたのかもしれない。

 

でも、私はとても悲しかった。

自分は好きだけど、相手は私を好きじゃない事を知りながら彼とすることが。

そして怖かった。

男性の力にはどうやってもかなわない。

結局拒めなかった自分が悪いのだと思った。

傷ついたはずなのに、傷つく権利もない、とその時の私は思ったような気がする。

 

後日、彼と会った時に、私の気持ちを伝えた。

私は貴方が好きだけど貴方が私の事を好きなわけじゃないことも、彼女と別れるつもりがないこともわかっている。

だからもう会わないし、友達にも戻れない。

会うのはこれで最後にしようと言った。

 

彼は謝っていたのかな。

それすらももう思い出せない。

 

私はその時の私をまだ許せていないのかもしれない。