ふりかえり⑤
彼と付き合って私は初めて男性に対して安心感を持てた。
なんでだろう、それまでにも付き合った人はいたのに、どこかでドキドキが勝っていて、自分が相手にどう思われるのか、ばかりを気にしていたような気がする。
どうしたらもっと好きになってもらえるのか。
意識がそこにばかり向いていた。
でも、彼に対しては私は信頼しきっていた。
彼は私を絶対に裏切らない。
そう思っていた。
事実彼はとてもとても優しかった。
私は常に彼に「好きだ」と伝え続けていた。
自分がして欲しい事を相手にしていたのだった。
その頃私は仕事でとてもプレッシャーを感じていて、いつも胃が痛くなりながら必死に仕事をしていた。
平日が休みの私と、日曜が休みの彼。
丸一日会える時はほとんどなくて、いつも土曜日の夜彼が私を職場まで車で迎えにきて私の家に泊まり、日曜の朝また職場まで送ってもらって彼は自分の家に帰る。
そんな日々だった。
そのうち私は身体に異常を感じ始めた。