ふりかえり⑦

何故彼の言葉に素直に頷けなかったのか。

 

私は、自分が負けたように感じたから。

誰かに庇護してもらわなければ生きていけないような感覚になったから。

お給料が少なくてカツカツの生活でも、私は私の力で生きているというささやかな自分を支えているものが無くなってしまうように感じたから。

そして、プレッシャーはあるけど、今まで頑張ってきた私の仕事も意味がないように感じてしまったから。

 

もちろん、彼はそんなつもりで言ったんじゃない。でも私はその自分の小さなプライドを傷つけられたようで、素直にうんといえなかった。

「一緒に住んだとしても生活費は私も出す」

そんな可愛げのない事を言ったと思う。

 

私のバカ。。

受け取れなかった。

信頼している、と言いながら。

私は誰かに委ねることができなかった。

 

そんな時、彼の友達たちとBBQをする事になった。