ふりかえり14
彼とは、向こうが別れを嫌がるのを押し切って一度別れた。
でも私は自分に自信がなさ過ぎて、また彼と戻ることになった(相手の女の子とは関係を切っていた)
結局一緒には住まなかったけど、私は転職をして前よりは彼と休みが合うようにした。
彼は日曜の夜も職場まで迎えにきて、また夜中帰るようになった。
彼の中で出来る限り私を最優先してくれるようになった。
でも、彼への信頼がゼロになってしまった私は彼を異常に束縛し、試し行動のように別れを口にしては脅すようになってしまった。
あの時の私は今も思い出したくないくらい大嫌いだ。
戻ってからの私たちは完全に力関係が逆転していた。彼は相変わらずおだやかで優しく、私に逆ギレすることは一度もなかった。
どんなにひどい束縛をしても、そうさせてしまったのは自分だからと言って全て受け入れてくれていた。
だからこそ、私は彼を許せない私が許せなかった。
それならどうして、って気持ちが消えなかった。
仕事を変わったことで体調もずいぶん良くなって、不思議なことに性交痛もほぼ無くなっていた。
でも、私にとって性行為は彼をつなぎとめるものだった。
しなきゃ、またどこかに行ってしまう。
喜びからのものじゃなかった。
そしてそれは彼と別れてからも、私のなかで根付くようになってしまった。
付き合ってる最中にだいぶ生理が遅れたことがあった。生理周期もズレたりしてたし、まさかなぁと思ったけど、普段よりもあまりにもズレることに不安になった。
彼は子供を欲しがっていたから、もしかしたら?って事に1人で先走って私の親に挨拶に行く予定を段取りつけようとしていた。
結局妊娠はしていなかった。
私はホッとしていた。
だって、こんな状況で子供ができてそれをきっかけに結婚しても。この不安は消えないとわかっていたから。
でも、形が欲しくてそうなればいいのに、とも思っていた。
彼の事も自分の事も許せないまま、結局5年付き合ったあと自分から別れた。
結婚の話も出ていたけれど、彼をどうしても信じることができなかった。
私はもう誰かのことを前みたいに無防備に信じる事が出来ない。
そんな自分がとても嫌だった。
たぶん私はまだその時の自分と仲直りができていない。